« 初めての駅伝体験記 | トップページ | 「うかい鳥山」 »

「ブロークバック・マウンテン」

先月観た「クラッシュ」
本年度アカデミー賞主要部門を二分した映画、
ブロークバック・マウンテン」を観て来ました。

金曜日(3/24)のレイト・ショーで観に行ったのですが
正直未だに消化不良の映画です。
何て感想を書いていいのか分からない。。。

この映画がゲイのカップルを主人公にした映画であることは
広く知られている事実だと思うんですが
私が今まで観たゲイ映画とは
明らかに毛色が違います。
私が今までに観てきたゲイ映画には
「アナザー・カントリー」や「モーリス」があり
これらの映画にはかなり感動したりもしてきた私なんですが。

「アナザー・カントリー」や「モーリス」が
英国パブリック・スクールを舞台としていて
キラキラした美少年君たちがホモってるのは
ある意味浮世離れした感じがします。
※もちろんこの2本は「同性愛=世間からタブー視されているもの」
 に対峙した人間を描いている映画であって
 単なるお耽美映画ではないことを強く主張しておきますが。

それに対して「ブロークバック・マウンテン」は
妙にリアルなんです。
主人公の2人が美少年君でないのが余計に
「たぶん世に実在するゲイな人たちって実際にはこうなんだろうな」
と思わせるような。

[以下、かなりネタバレです。未見の人は読まないように。]

またこの2人にはそれぞれ奥さんがいて
ちゃんと子供までいるのが単なるゲイ映画ではない感じがします。
(ゲイの人たちって異性は全くダメなんだと思ってました。)
このそれぞれの奥さんの描き方がまた興味深い。
イニスの奥さんは夫がゲイであることを知って
激しく拒否反応というか、嫉妬ですね、あれは。
夫に自分より愛してる人がいて、
しかもそれは女じゃなくて男なんだから
その精神状態たるや尋常なものではないでしょう。

それに対してジャックの奥さんは
おそらく全て知ってるんです。
だけどイニスの奥さんとは正反対で
知らないふりを通すんです。
ジャックの死後、イニスから電話がかかってきて
ラリーン(ジャックの奥さん)は
電話の相手が夫の恋人であることを知りながら
あくまで知らないふりを通します。
それがスクリーンからにじみ出てました。
アン・ハサウェイ、単にきれいなだけの女優さんじゃないですね。
この2人の奥さんの対照的な描き分けが見事でした。
この電話のシーンのラリーンのマニキュアの雑な塗り方が
彼女の心情を表していて
「こういう演出、好きだなー」としみじみと思ってしまいました(苦笑)。

「アナザー・カントリー」や「モーリス」が
同性愛を描くことによって
タブーな存在への社会の反応の醜さを描いているのに対して
「ブロークバック・マウンテン」では
もちろんそれも描かれてはいるんだけど
そこまで強く表現されていないような気がする。
それよりも
「許されない恋を選んでしまった辛さ」みたいなのの方が
強く表現されていた気がする。
どこかの映画評で読んだ気がするんだけど
この映画の主題は別に同性愛じゃなくても
不倫でも描けると思う、と書いてあった。
確かにそうだ。
「許されない恋」という点では
同性愛も不倫もそうだもんね。
今は結構何でもありのご時世になってきたから
不倫も同性愛も昔ほどタブー視はされてないと思うけど
でもまぁ不倫の方が同性愛よりは社会的蔑視が軽いのかな?
とはいえエルトン・ジョンも男と結婚するご時世だからねぇ。。。

何となくこの映画の感想が書きにくい理由が
分かってきた気がする。
この映画、観てる人の心の一番哀しい体験を
フラッシュバックさせる効果があるんじゃないかと思う。
哀しさが極まって嘔吐してしまうくらいの体験を。
この映画観終わった後、何となくみぞおちの辺りが痛いような
そんな気さえした。

そういう意味でこの映画は「救い」がない感じがしたのだ。
イニスはジャックが死んだことによって
むしろ苦しい想いから解放されたではないか。

何となくまとまりのない感想になりましたが。
ホントに消化不良なんで。。。
役者の演技、監督の演出ともにすばらしいです。
間違いなく完成度の高い映画です。
それは分かるんですが、、、
観終った後のあのどうにも痛い感じが
諸手を挙げてお勧め、って感じではないのです。
うーん、今回は星つけられない。評価不能。

余談ですが
以前同じくアン・リー監督作品の
「恋人たちの食卓」という台湾映画を観たのですが
これすごく良かったです。
観る機会がある方は是非。

|
|

« 初めての駅伝体験記 | トップページ | 「うかい鳥山」 »

映画・ドラマ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/31264/9273113

この記事へのトラックバック一覧です: 「ブロークバック・マウンテン」:

» 「ブロークバック・マウンテン」人を愛することの幸せと残酷さを知る [soramove]
「ブロークバック・マウンテン」★★★★ ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール主演 アン・リー監督、2005年アメリカ 大自然を前にしても 人の心は開放されない。 人生は思うようにならないもの、 ならばやはり人は 何かを自ら選び取らなければならないの...... [続きを読む]

受信: 2006/04/10 07:54

« 初めての駅伝体験記 | トップページ | 「うかい鳥山」 »