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「ヴェニスの商人」見てきました

私は中学の時演劇部だったんですが
その時「ヴェニスの商人」をやったことがあるんです。
原作はおそろしく長いので
中学生がそんな長編を演じられるわけもなく
有名な裁判のシーンだけ。

中学の演劇部なんて男子は大抵入りませんから
ウチの中学の演劇部も女子ばっかりでした。
「ヴェニスの商人」という芝居はただでさえ
女性の登場人物が少ないのに
数少ない女性キャラでしかも準主役クラスの「ポーシャ姫」が
(ご存知の方はあまりにもご存知だと思いますが)
この裁判シーンでは男装して裁判官として登場する為
ホント登場人物は男ばっかりでした。
部員は女子ばかりなので宝塚のごとく男装で演じます。

裁判シーンだけ取り上げた芝居ではありましたが
一休さん的頓知による大どんでん返しありの楽しい展開なので
結構ウケがよかった記憶があります。

・・・私の役が何だったか、ですか?
アントーニオです。
ご存じない方の為に、
アントーニオとはユダヤ人金貸しシャイロックに
借金のかたに肉1ポンドをあやうく切り取られそうになる役です。
アントーニオはヴェニスの商人なので
言わばタイトルロール?
でも「ヴェニスの商人」って主役はシャイロックのような気がするんですが
どうなんでしょう?

と、長い前置きはさておき。

引越しから1ヶ月が過ぎ、
ようやく生活も落ち着いてきたところで
そろそろエンタメ系を楽しもうと
11/9(水)、「ヴェニスの商人」を観に行ってきました。
アル・パチーノが出ると知っていたので
彼がやるシャイロックが非常に楽しみでした。

アマデウス」という映画は
私が「名作と思う映画を10本あげろ」と言われたら
間違いないくその中の1本に入れる名作中の名作だと思うのですが
この作品が映画化されると知った時
(「アマデウス」は元はブロードウェイ(?)で大ヒットした舞台劇)
アル・パチーノはサリエリをものすごく演りたがっていた、という記事を
読んだことがあります。
この映画を監督したミロシュ・フォアマンの
観客の変な先入観を除きたい、という意向で
主役のサリエリとモーツァルトには
名の知れた俳優は使わない、ということになってたそうです。
サリエリを演じたF・マーリー・エーブラハムは
ちょうどサリエリ役のオーディションに受かった頃
アル・パチーノ主演の映画の撮影をしていたそうで
アル・パチーノにすごくうらやましがられた、という
エピソードが雑誌に載っていました。

また話が脇に反れたな(苦笑)。
要するに何がいいたいか、というと
「アマデウス」のサリエリと「ヴェニスの商人」のシャイロック、
役として似てる、と私は思うのですよ。
サリエリを演じることを望んでいたアル・パチーノが
満を持してシャイロックを演じる。
そうでなくてもシャイロックという役は
自分の演技力に自信のある役者だったら
誰でも1度は演じてみたい役でしょう。
ジェレミー・アイアンズも出ると書いてあるし。
彼が出るなら彼が絶対アントーニオじゃん!
こりゃー芸達者同士の演技合戦が楽しめるぞ~
絶対見なければ!と
いそいそと映画館に向かった次第であります。

W・シェークスピア原作のあまりに有名な芝居。
この芝居は演出の仕方によって話が化ける
演出家冥利につきる芝居でもあるでしょう。
私は最も典型的な演出が好みで
シャイロックはあくまでも悪役として
裁判のシーンでこっぴどくやっつけられる
勧善懲悪ものの芝居として見たいのです。
(そうです、私は「水戸黄門」のラスト15分が決して嫌いではありません(笑))
が、この芝居は
シャイロックを悲劇の主人公として演出するのも可能なわけで。

で、今回の映画化はどっちの演出だったか、というと。
両方の解釈をうまく取り入れた演出だったと思います。

まず映画のオープニングで
この芝居の時代背景が説明されるのです。
この時代、ユダヤ人とはどういう社会的地位で
世間でどういう扱いをうけていたのか。
これを見た時、
「あちゃー、私があんまり好きじゃない方の演出か?」と
思いましたが、さにあらず。
シャイロックはあくまでも悪役なんですが
こういう環境にあったら
人間誰でもシャイロックになるでしょう的な演出っていうんですか?
ちょうど「アマデウス」でモーツァルトがいなければ
サリエリは普通の人として幸せな人生を送ったであろうに、というのと
同じように。

おそらく時代背景的な配慮もあるのでしょう。
このご時世、特定の人種をさげすむ映画は許されないでしょうし。
大シェークスピアの時代は
人種差別って観念すらなかったでしょうしね。

というわけでシャイロックがちょっぴり悲しい的な映画となりました。
アル・パチーノはさすがにうまいです。
アントーニオ(=ジェレミー・アイアンズ)と
バッサーニオ(=ジョセフ・ファインズ)は
年齢離れすぎなんじゃないの?
この2人って友達って設定なのに。。。
あとポーシャ姫役の人が
あんまり美人じゃない!
何となく意地悪系の顔でちょっとがっかり。
でも裁判シーンの男装は似合いました。
もしかして男装が似合う、という視点で役者を選んだ?
カメラワークも非常に美しかったです。
途中「おお、フェルメールの絵のような!」と思うシーンがありました。

秋の夜長、芸術に浸りたい方にはお勧めの映画です。星3つ半くらい、かな。

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コメント

Takecoさん、

ご無沙汰ですね。
演劇部とは面白そうなことやってましたな。
演劇なんて幼稚園の時にブレーメンの
音楽隊のロバをやって以来ご無沙汰ですよ。


※川崎に引っ越したんですね。
学生の頃、武蔵中原でバイトをしてたん
ですが川崎も最近は随分と雰囲気変わりましたね。


投稿: ラーメン野郎 | 2005/11/14 23:55

ラーメン野郎さん、こんばんは。
お久しぶりですね。
引っ越したので
ラーメン野郎さんのblogに登場する場所にも
行きやすくなりましたよ。
おいしいものが食べられそうな場所を
いろいろと訪ね歩いてみます。

投稿: takeco | 2005/11/15 22:20

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